はじめに † ?
BAINはBAsh INstallersの略。Wrye BashのMod管理ツールです。
ObMMとは異なる実装をしていますがObMMの持つ基本的な機能は押さえており、部分的にはより洗練され、部分的には劣ります。ObMMとの比較に関してはTes4Mod:Wrye Bash/Bash vs. OBMM(英語)を参照のこと。
この項で使う用語など † ?
- パッケージ
- esp/esmファイルやメッシュおよびテクスチャなどのリソースファイルの集合です。Installersタブに記載されるすべては、パッケージです。パッケージはアーカイブファイル(*.7z、*.zip、*.rarファイル)かフォルダです。フォルダとして存在するパッケージは「プロジェクト」と呼称する場合もあります。
- リソースファイル
- このページ内ではメッシュおよびテクスチャなどのesp/esmファイル以外のものを指します。
Wrye BashのInstallersタブをクリックすることでインストーラーモードになります。Wrye Bash起動後の最初の一回はアーカイブフォルダやデータフォルダのスキャンを行うために少し時間がかかります。はじめてInstallersタブをクリックしたときはスキャンに5~15分程度のけっこうな時間がかかる可能性もあります。コーヒーブレイクでもしつつゆっくり待ちましょう(・∀・)
パッケージを置く場所 † ?
パッケージは基本的にはWrye Bash導入時設定のままであればOblivion Mods\Bash Installersに置きます。Oblivion ModsフォルダはOblivionフォルダと同じ階層にあります。このフォルダはWrye Bashの初回起動時に作成されているはずです。
(仮にC:\Bethesda\OblivionにOblivionをインストールした場合、C:\Bethesda\Oblivion Mods\Bash Installersがパッケージを置く場所になる)
この位置はMopy\Bash.iniを編集することで変えることもできます。
パッケージやプロジェクトをその場所に置くとInstallersタブが開いていれば直ちに反映されます。
BAINは上記の「パッケージを置く場所」からパッケージをスキャンして表示します。Modアーカイブやプロジェクトはインストールしたり削除したりできます。パッケージやプロジェクトの情報は右側の詳細表示エリアでチェックすることができます。
パッケージリスト † ?
画面左側は「パッケージを置く場所」にあるパッケージ/プロジェクトの一覧が表示されています。パッケージファイル名の前にはパッケージの状態を示すアイコンが表示されています。
アイコン † ?
チェックマーク † ?
インストール済みパッケージにはアイコンに"+"が付加されます。
アイコンの色 † ?
アイコンの色はOblivion\Dataフォルダ(以下データフォルダ)に連動してパッケージの状態を示します。
- ■緑色: パッケージとデータフォルダは完全に同期しています。それが「アクティブでなく」てもアイコン色が緑色になる場合があることに注意してください。例えば、2個の内容の同じパッケージが存在し一方が(完全に)インストールされるなら、アイコン色は緑色で表示されます。しかし、他方もまた完全に同期するのでアイコン色は緑色になるでしょう。
- ■赤色: パッケージ内のいくつかのファイルがデータフォルダ内に存在しません。
- ■橙色: パッケージ内のファイルはすべてデータフォルダに存在しますが、esp/esmファイルのいずれかがパッケージと異なっています。これは他のModで上書きされているか、インストール後にCSなどで修正された場合に表示される色です。
- ■黄色: パッケージ内のファイルはすべてデータフォルダに存在しますが、リソースファイルのいずれかがパッケージと異なっています。これは他のModで上書きされているか、インストール後にNifskopeなどで修正された場合に表示される色です。
- □白色: パッケージがインストールするファイルを全く持っていないことを示します。esp/esmファイルのみのパッケージでesp/esmファイルのチェックをすべて外している場合にもこの色で表示されます。
- ■灰色: パッケージにはBAINが認めない構造があることを示します。インストールすることができません。
アイコンの形状 † ?
- ◇ひし形: プロジェクトであることを示します。
「パッケージを置く場所」に置かれたサブフォルダです。
- □四角形: パッケージであることを示します。
BAINは7zファイル、zipファイル、rarファイルに対応しています。
文字の色 † ?
- 青色: サブパッケージが存在するパッケージであることを示します。パッケージのインストール状況はユーザーの選択によります。
- 灰色: パッケージにBAINが認めない構造があるのを示し、インストールできません。
文字背景色 † ?
- 橙色: 構成が変更されたパッケージのために(アクティブなサブパッケージとesp/esmファイルを変更するか、またはパッケージ自体を変更することによって)起こる不整合があることを示します。AnnealかAnneal All処理を走らせることでこれを修復できます。
- 黄色: パッケージにはアンダーライド―すなわち、このパッケージからインストールされたファイルが、より高いオーダーパッケージによって優越されるべきなのに導入されてしまっている状態―であることを示します。 既にインストールされたModを再インストールした後に、これは起こるかもしれません。AnnealかAnneal All処理を走らせることでこれを修復できます。
- 灰色: パッケージの中のいくつかのファイルがインストールされないことを示します。これは、通常BAINに部分的に扱われるだけである複雑な構造のためでもありますが、BAINがインストールするのを拒否するファイル(exeファイル、DLLファイル、サブアーカイブなど)を持っているためであったりもします。
パッケージの詳細 † ?
選択されているパッケージの詳細情報はウィンドウの右部分に表示されます。詳細表示エリアは(今のところ)3つのフィールドから構成されます。
情報タブ群 † ?
上部のエリアは選択されているModに関するいくつかの情報を表示します。この情報の多くがModのインストール状態やその順序に依存していることに注意してください。
- General: 情報の概要やサブパッケージ、esp/m、声のフィルタリングなどで決定された、インストール済のファイルについて表示します。
- Matched: 現在のデータフォルダ内のファイルとパッケージ内のファイルが同一であるものを表示します。
- Missing: 現在のデータフォルダ内に存在しないパッケージ内のファイルを表示します。
- Mismatched: 現在のデータフォルダ内にファイルは存在するがパッケージ内のものと内容が異なるものを表示します。
- Conflicts: インストールされているパッケージ間での競合ファイルを表示します。
- Underridden: 本来の優先順位とは違った順位でインストールされてしまっているファイルを示します。AnnealかAnneal All処理を走らせることでこれを修復できます。
- Dirty: 以前インストールされているが再構成のために削除/変更すべきファイルを表示します。AnnealかAnneal All処理を走らせることでこれを修復できます。
- Skipped: BAINによってインストールをスキップされたファイルを表示します。
サブパッケージ † ?
パッケージ内にサブパッケージがなければこのエリアは空白になります。サブパッケージがある場合、チェックボックスにチェックを入れることでどのサブパッケージをインストールするか決めることができます。サブパッケージ間で同名のファイルがある場合、後のもの―サブパッケージリストにおいて下段のもの―が優先されることに注意してください。
Esp/Esmフィルタリング † ?
第一にパッケージから特定のesp/esmファイルを無視するのにこのエリアを使用できます。
これは本体プラグインの代替やオプションモジュールの提供などの用途に使うことを意味します。
Esp/Esmフィルタリングはサブパッケージフィルタリングのあとに適用されることに注意してください。場合によってはサブパッケージを完全にオフにするのは、個々のEsp/Esmファイルを無効にするより簡単であるかもしれません。
第二に、インストールするプラグインファイルの名前を変更することができます。このエリアで右クリックすると以下のコンテキストメニューが開きます。
- Select All: エリア内のすべてのプラグインにチェックを入れます。
- Deselect All: エリア内のすべてのプラグインのチェックを外します。
- Rename: 選択したプラグインの名前を変更します。
- Reset Name: 選択したプラグインの変更された名前を元に戻します。
- Reset All Names: エリア内の変更された名前をすべて元に戻します。
名前を変更したプラグインはその新しい名前の前に'*'が目印として付加されます。
パッケージ構造 † ?
BAINは以下のパッケージ構造を認識します。
- シンプル
- パッケージの最上層にesp/esmファイルあるいはbsaファイルがあるか、通常のOblivionのデータフォルダ構造と同様のフォルダ(下記参照)が適切に配置されている場合、シンプルパッケージと認識されます。
- screenshots
- bash patches
- distantlod
- docs
- facegen
- fonts
- menus
- meshes
- music
- shaders
- sound
- textures
- trees
- video
- streamline
- _tejon
- ini tweaks
- scripts
- pluggy
- ini
- obse(BAINのオプションでOBSEプラグインインストールを許可している場合)
- 複合
- シンプルパッケージではないがサブフォルダを持ち、各サブフォルダ内がシンプルパッケージと同様の構造を持つ場合、複合パッケージと認識されます。
この場合、パッケージの最上層にあるサブフォルダはサブパッケージとして扱われ、サブパッケージごとに導入するかどうか選択することができます。
- 複合/シンプル
- 複合パッケージの構造ではあるものの、サブパッケージがひとつしかない場合、シンプルパッケージのように振る舞います。
スキップされるファイル † ?
BAINはパッケージに以下のタイプファイルがあるとそのファイルはインストールしません。
- 不要なもの
- Thumbs.dbやomod conversionフォルダとそのサブフォルダはスキップします。
- 開発用ファイル
- "--"で始まり、パッケージの最上層やサブパッケージの最上層にあるファイルやフォルダはスキップされます。
Mod開発時にプロジェクトを展開するときに不要なファイルをインストールしないために使えますし、そうでなくてもスクリーンショットなどをMod導入時にインストールさせたくない場合にもこのパターンは使えるでしょう。
- 認識できないフォルダ
- 認識できないフォルダやファイル構造の場合はスキップされます。ファイル構造の問題とは、たとえばアーカイブの最上層にMod名のフォルダがあり、そのサブフォルダにDataフォルダがある場合などです。
- ファイルタイプ
- 各種実行ファイルおよびDLLファイルおよびアーカイブ内のサブアーカイブはインストールされません。実行ファイルやライブラリはOBSEプラグインフォルダのインストールを許可している場合のみ、そのフォルダにインストールできますが十分に注意してください。
- その他
- パッケージやパッケージリストの見出し行からのコマンドでスキップすると明示したものは当該パッケージまたは全体でスキップされます。
ドキュメントファイルの扱い † ?
Readmeファイルの散乱を防ぐためにBAINはドキュメントファイルであると思われるファイルをOblivion\Data\Docsに掃き集めます。また、その前に単にreadme.txtというファイルはパッケージ名に従って改名されるでしょう(さすがにりどみ.txtのような2バイト文字のファイル名まではサポートしていませんが)。
パッケージの順序 † ?
BAINは順序をすべてのパッケージに割り当てます。パッケージがインストールまたはアンインストールされるとき、どのファイルが実際にインストールまたはアンインストールされるか決定するために順序は考慮されます。
- パッケージの順序はパッケージリストのOrderの項目に表示されています。以下の文内で「順序が高い」とはOrderの項目の数字が大きいことを指します。
- 順序はパッケージ(または選択されたパッケージ群)上で右クリックし、Move toを選択することで変更することができます。変更された場合は直ちにその順序に移動します。いくつかのパッケージを選択していた場合、そのすべてがグループ内の一番小さな順序のものを基準として相対的な位置を保って順序を移動します。
- Ctrl+↑、Ctrl+↓でも順序を移動できます。グループを選択していた場合は上記のように相対的な順序関係は維持されます。
- Orderの項目でパッケージリストをソートしている場合のみ、ドラッグアンドドロップで順序を移動できます。
- シンプルで良好な順序づけとして問題がないと思われる一例として以下を示します。Modのカテゴリ毎に順序を設定していくパターンです。
- DLC
- Unofficial Patches
- DarN
- Sounds
- World textures - expandable
- Environments
- Weather
- Other replacers
- Overhauls - much
- Overhaul Overrides and Patches
- Quests
- Dungeons
- Locations
- Houses
- Unique Landscapes
- Provinces/LOD
- Cities and villages
- Roads and infrastructure
- Races and Bodies
- Companions
- Magic
- Stealth
- Combat
- Scaling and leveling
- errata
- newly acquired and testing mods
- my own projects
- ====
- Unused Mods
"Last" † ?
"Last"はBAINによってパッケージリストに自動的に追加される特殊なマーカーであり、新規にインストールされるパッケージの順序はLastの前に挿入されます。自作のModなどで順序を常に高い値にとどめておきたい場合はそのModのパッケージ順序をLastの後に移動しておくと実現できます。
インストール順序 † ?
パッケージをインストールするとき、より高い順序のパッケージを尊重するでしょう。すなわち、インストールされるパッケージが既にアクティブなより高い順序のパッケージと衝突すると、順序の高いパッケージに存在しないファイルだけがインストールされ、存在するファイルはスキップされます。
順序の高いパッケージのファイルを上書きしたい場合、「Install Last」コマンドを使用できます。そうすることで選択されたパッケージをリストの終わりに動かしてからインストール処理に移行します。
アンインストール順序 † ?
パッケージをアンインストールする際も順序のパッケージが考慮されます。アンインストールするパッケージよりも順序の高い、アンインストールするパッケージ内に存在するファイルは削除されません。
アンインストールするパッケージよりも順序の低いパッケージに同じ名前のファイルが存在した場合、アンインストール後に順序の低いパッケージから該当するファイルが自動的にインストールされます。
一例として、Unofficial Oblivion Patch(順序: 低)の後にUnofficial Oblivion Patch Supplemental(順序: 高)を当てた状態からUnofficial Oblivion Patch Supplementalをアンインストールした場合、Unofficial Oblivion Patchのパッケージにあるespファイルやリソースファイルなどが自動的にインストールされます。
ちなみに、未インストールのパッケージからもアンインストールを実行することができます。これは以前インストールしたパッケージからのファイルをDataフォルダから一掃する際に役立ちます。
Auto-Annealing † ?
パッケージをアンインストールする際、BAINはアンインストールされるパッケージが持つ、以前インストールをスキップしたファイルをインストール済のパッケージから復旧させることで、ファイルシステムを「焼き戻そう」とします。BAINが自動的に「焼き戻す」ことを望まないのであればパッケージリストヘッダーのコンテキストメニューから「Auto-Anneal」のチェックを外して停止することができます。