その夜、眠っている私に、ある声が聞こえてきました。
(やっと 飲み会 終わったよ)
(これで ようやく プレイ できるな)
目が覚めると、私は監獄の中にいたのです。
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……
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!!??
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私の手には、手錠がかけられていました。私は……思い出せません。私は重罪人だったのでしょうか?
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途方にくれ、構えつけの椅子にくずれていると、柵の向こうから私を呼ぶエルフの声が聞こえてきました。
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「お前ブレトンだろ?なら魔法でこの柵を消してみろよ、出来ないだろ!」エルフは嘲笑しながら、ここから出るには死ぬしかないと喚きました。恐怖と絶望とで、頭がおかしくなっているのかもしれません。私もいずれ、彼のようになるのでしょうか。すると、階段のほうから足音が聞こえてきました。「それみろ、ガードだ!お前の方だぞ、ハハハ!」
確かにそれはガードたちの足音でした。私を拷問するために来たのでしょうか。しかし、どうやら様子が変わっています。
「Baurus、扉に錠をかけろ!」
「息子たちよ……、死んでしまったのか」
「まだわかりません、陛下。攻撃されたという知らせが来ているだけです」
「いや、彼らは死んだよ。私にはわかる」
足音の主は四人の男女でした。三人はガードの格好をしていましたが、一人の年老いた男だけは違っていました。その風貌から漂う気品で、彼が地上でも最も高貴な人物のうち一人ということを、私は直感しました。にもかかわらず、彼はその表情に深い憂いをまとっていました。
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「こんなところで囚人が何をしている!」いきなりの怒声で私は我に帰りました。「この監房は使用禁止だったろう!」
「なんか間違いがあったんだ」
「おい囚人め、奥に引っ込め。邪魔をしたら直ちに殺す」
私自身、自分がここで何をしているのかわかりません。何かを言っておくべきでしょうか?しかし、ガードの命令には有無を言わさぬ切迫した雰囲気がありました。
結局、素直に命令に従い、後ろの壁まで引き下がり、手をあげてピッタリくっつきました。ガードたちと男が、いそいそと監房の中に入ってきました。
どうやら、監房の中に隠し通路があるようです。彼らが無事通り去ったら、私もここから出られるかもしれません。その時……
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「君を……見たことがある」
ガードたちの驚きの目が一気に私へ集りました。しかし、一番驚いたのは私です。
男は自分から進んで、私の方へ寄ってきました。右手の女騎士は、剣に手を添えたままです。
「もっと、近くで顔を見せてくれ……
「ああ、君は、私の夢に出てきたね……」
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男の名はUriel Septim、帝国の皇帝その方でありました。
暗殺者に皇太子たちが次々と襲われ、御身の危険を案じた親衛隊Bladeの保護下、隠し通路を伝ってImperial Cityの外へ脱出しようとしていました。その隠し通路の入口が、私の入っていた監房だったのです。
というより、その監房にたまたま私がいたのです。
何故私が監房の中に?
「我々が出会えるように、神々が図らって下さったのだろう。君が過去に何をやったのか……それはこの際問題ではない。そんな事で、君の名が人々に覚えられたりはしない。私が私の道に従ってTamrielに尽くしたように、君は君の道に従ってTamrielに尽くすことになろう」
私の道……?
「どんな道を辿ろうが、その終わりは神々に定められている。避けることはできないのだ」
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立ち話が許されるたはそこまでです。女騎士(親衛隊長でした)が石壁のある場所を押し込むと、壁の窪みに置かれていた寝床が沈まり、壁がゆっくりと奥の方へ開きました。
「運がよかったな。邪魔はするなよ」
遠回しに脱獄を許された私は、恐る恐る彼らの後ろについて行きました。このまま彼らについて進めば、迷わず外に出ることができる……
そう思った矢先、目の前に赤いローブの男たちが現れました。と同時に、親衛隊長が剣を振りかざし、彼らのほうへ飛びかかりました。
「陛下を守れ!」
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他の二人の親衛隊が飛びかかった時は、親衛隊長は魔法で武装した暗殺者に胸を突かれ、くずおれていました。
暗殺者たちはじきに全滅しましたが、彼女は倒れたまま起き上がることはありませんでした。
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「Captain Renaultは?」
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「死にました、陛下。申し訳ございません。が、先を急がねばなりません」
皇帝の顔に深い悲しみが横切りました。何か、慰みの言葉でもかけるべきかもしれません。
が、先に口を開いたのは皇帝の方でした。
「ここからは君自身が君の道を見つけなければならない。
「しかし……私は信じているよ。終わりの訪れる前に、もう一度、我々二人の道が交差するだろうことを」
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「お前はここまでだ。これ以上付いて来ようと思うなよ」
皇帝を扉の向こうへ誘導すると、親衛隊の一人は私に念を押して、向こうからカギをかけてしまいました。
どうにか外へ出なければなりません。そういえば、暗殺者が入ってきた通路から出られるかもしれません。
壁をよじ登ろうとした時、背中から大きな音が聞こえました。
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すると、大きなネズミが……!
腕と足を噛まれ、がむしゃらに拳を振り回しました。
気付いた時には、二匹のネズミが足元でぐったりしていました。
辺りは水を打ったように静まりかえっています。
周りは死体だらけです。
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安らかに、キャプテン・レナルト。
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その鋼の勇気と、鉄の剣を、しばし拝借します。
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ついでに、囚人服も着替える事にしましょう。
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最低限の準備が整ったようです。
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風が吹いてきました。その先へ向かいます。